ゲスト紹介

宇野)改めてここから本日のゲスト、 株式会社アルコバレーから甘利さんです。(拍手) 甘利さんは、住まいの空気環境を建材で支えてきた、いわば、健康建材の専門家です。 宇野)まずは建材で空気環境を良くしてきた、甘利さんの施工実績をご紹介いただきたいと思います。 抗酸化施工写真 甘利)(写真を見ながら) ここはこの前都知事選にも出た内海聡先生が経営をされている、児童施設放課後デイサービスです。 リフォーム前は銀行で、ATMなんかが置いてありました。 他にもすごいでっかい機械もあったり。 湿気もたまるし、環境は良くなかったです。 ここの壁に空気環境をよくする施工をしました。 宇野)(児童施設と交流のあるスタッフに)実際に塗って職員の方の反応はいかがでしたか? 竹屋陶板浴スタッフ)職員の方はものすごい快適だ!って言っていました。 他にも事務所があるけど、毎日こちらに出勤したいって言っているくらい喜んでいました。 宇野)空気環境が違うだけで、毎日行きたくなるというのが面白いですね。 空気を変えると変わるのは空気だけじゃない、という話。 ちょっと感覚としては分かるかもしれないですね。

一般的な建材で空気が悪くなる理由

甘利)そもそも建材で多く使われているのが集成材、 この集成材つくるのにボンドでくっつけているんですね。 そうすると、温度によってボンドから化学物質が揮発する。 (揮発:空気中に溶けて広がること) この化学物質が良くないんです。 ボンドは色んなところで使っていて、 例えば壁紙を貼ろう思ったら、そのノリにも関係する。 そして揮発し続ける。 揮発して上に上がるものは拡散するのでどんどん出ていくんですけど、 下にたまる重い揮発物がある。 宇野)空気より重いものが残るんですか? 甘利)そうですね。 下に溜まったものが、心身に影響を与えやすいと言われています。 キレる方が多いというのも、化学物質の影響があると言う意見もあります。

空気環境の良し悪し

宇野)空気環境は心身に影響という話ですが、 普段当たり前のように生活して、当たり前のように空気を吸っているので 違いがわからないのですが、 いい空気環境と悪い空気環境って、何が違うと思われますか? 甘利)障子と襖とか、昔ながらの風通しのいい家に比べて、今の家ってすごい気密がいいんですよ。 気密が良すぎるがゆえに、法律で24時間換気しなさいというのがあるって、換気扇をわざわざつけている。 ちゃんとした建材で作っていれば、気密がいい方が多分いいと思います。 ヒートショックとかって聞かれたことあると思います。 風呂に入って熱い状態から急に寒くなると体に悪い。 (ヒートショックを防ぐために)温度差って意味では気密が良い方がいいんですけど、 一方で、気密がいいと悪い空気が充満しやすい。 じゃあどっちがいいの?と思うんですよね。 今からもう20、30年ぐらい前に、シックハウスっていう言葉が出だした。 その前にシックスクールが問題になって 新築の学校行ったらなんか病気、何が悪いのかな、って色々調べたんですけど、 (化学物質が)いっぱい出てくるのでどれかよくわかんないです。 じゃあ、ホルムアルデヒドっていうものを悪いことにしようと決めて、 それだけまずは制限しましょうねと規格を作ったんですね。 ただ、ホルムアルデヒドの代わりに何か使わないとボンドってくっつかなかった。 そこで、匂いのしないものや、なかなか揮発しにくいものを建材に使い出した。 なので、最近の住宅って新築の匂いってあんまりしないんですよね。 今の住宅が匂いがしなくなったということは、 それは化学物質が出てないから健康、ということではないんです。 宇野)匂いがないから、いい建材ではないんですね。これは難しいですね。 人間の感知しないような物質がいっぱい出ているけど、匂いはしないのですね。 甘利)前より悪くなっている。 じゃあ空気がいい悪い、ってその見分け方って、もう出来ない。 素人では無理だと思います。 なので、空気測定というものをすることをお勧めしてます。 空気測定する時に、必ずしなきゃいけないことっていうのがあって、 室内の空気を測る時に、この真ん中に測定器を置くんですけれど、 やる前にどこの家でも窓を全開にして、30分放置してから空気測定してください、 ということになっている。 というのは、どんな環境であったとしても、 室内より室外の方が空気がいいってことは大前提なんですよ。 渋谷のスクランブル交差点、ここで空気測定してもほぼほぼ何も出ないです。 宇野)空気の巡りがいいと残らないんですね。

空気清浄機ではなぜダメなのか

宇野)空気清浄機とか今すごいいいじゃないですか? ご時世で今すごくいいものがたくさんあると思うんですけど 空気清浄機でも良いんじゃないですか? 甘利)取れる化学物質が全てではない、というのがまず第一。 次にフィルターが超高性能なもので、 全部吸着できるようなフィルターを使っていればすごく良いと思いますけど 多分そういう空気清浄機って、一般の家庭で買えるような金額ではない。 それと快適さ、って温度と湿度だけじゃないんです。 そこに気流と放熱という、この4つの要素でできています。 本来快適さというのは、こうなんです。 自然の中に引越しできればいいんですけれど、 引っ越しってやっぱりその人や社会との繋がりも、また一からということになるでしょう。 今の生活環境を維持して、一番コストを下げて、心身ともに良いっていうのは 私は建材を考えることをおすすめしています。 宇野)確かに引っ越せれば引っ越すに越したことはない。自然の中でとかいいですけれど それがなかなか出来ないわけですからね。 だったら住宅を自然に近いものにしたらいいんじゃなかろうか、ってことですね。 ちなみに何度も説明しましたけど、今皆さんがお越しの竹屋陶板浴は まさにそういう設計思想で多分できています。 これも全て珪藻土ですね。

なぜ珪藻土がいいのか

甘利)マイクログラム位の珪藻土、その穴の面積を全部広げるとテニスコートくらいある。 その表面積にいろんな化学物質がくっつくことで、空気を綺麗にできる。 宇野)良い珪藻土、悪い珪藻土があるんですか? 甘利)悪いというわけではない。狙った性能が出るかどうかっていうことですね。 室内に使おうと思っていた時には、やっぱり調湿っていうものと 先ほどからお話ししている化学物質の吸着。 これがやはり大事なので、それが出来るケースとか出来ないケースで性能差がある。 良い住宅を目指すなら単純に珪藻土だけじゃなくて、そこの性能まで見ないといけない。

なぜ抗酸化溶液がいいのか?

宇野)なるほど。そういった意味で、吟味された珪藻土を使われていると思うんですけど。 あえて、そこに抗酸化の溶液を混ぜ込んでいるというのは、なぜですか? 甘利)珪藻土だけだと化学物質の吸着はするんですよね。 吸着したら、その吸着したものをどうするの?という話になるじゃないですか。 いつか飽和状態になっちゃう。 宇野)なるほど。珪藻土は吸着する力はあるから、化学物質はどんどんつけるけど、 それをどこかで除去しないといけない、という話ですね。 甘利)珪藻土だけだとそれは出来ないじゃないですか。 抗酸化作用の溶液を加えると、分解できるということが分かった。 くっついたものを自動で分解する。 宇野)なるほど。非常によく分かりました。